Uさんへ・・・

昨年十一月、Uさんが、肺炎のため、入院していた病院で亡くなった。私は五年前までUさんと一緒にパン部門で働いていたが、その後は深い関わりがなかった。昨年八月にお母さんを亡くされたのがきっかけで、グループホームに入居したUさんと久しぶりに関わる機会を持つことになった。

私がパン部門にいた頃もUさんは、気持ちの不安定さから毎日パンジーに通所できず、部屋に閉じこもっているので、電話をかけたり、時に自宅を訪問して誘いかけたりした。一方で気分が乗っている時には、パン作りの工程をひとつ任せられるほどの力を発揮するし、販売では持ち前の人なつこさで地域の人々と触れ合い、売り上げにも大いに貢献した。

初めて一緒に泊まる日、「今日、一緒に泊まり?!」と笑って変わらぬ人なつこさで迎えてくれた。新しい環境への戸惑いからか調子を崩していると聞いていたので心配していた。しかし、その日の夕食時、嫌いな野菜も食べ、「次は薬飲んで、お風呂に入るねんな。寝る前にトイレ行くねんな」と行動し、苦手な朝も気持ちよく起きて出発することが出来た。普通の生活に思われるだろうがUさんが毎日とても頑張っているのがよくわかった。初めて関わる介護者も手探りの中、以前に関わりのあった私が泊まる日には安心してくれているように思えた。「今度、いつ泊まり?」と聞いてくれることが嬉しかった。一緒に泊まれる日は少ないけど、自立生活をサポート出来ることを楽しみにしていた。これからという時だった。短い時間だったが、一日、一時をよく頑張ったと思う。お疲れ様でした・・・。       (吉野)