創思苑のこと

設立趣意書

設立趣意書

障害者が一人の人間として、
地域で当たり前に生きていけることをめざして

現在、地球上には、全人口の10分の1にものぼる障害者が生存していると言われています。
そして、それらのおよそ3分の2がアジアとアフリカに集中しており、その多くがきわめて厳しい差別と貧困、さらには死の危険にさらされています。
一方、今や世界有数の経済大国と言われる日本においても、障害者に対する差別は根深く存在しています。
1981年の「国際障害者年」以降、障害者が健常者と共に地域社会で生きることをめざすノーマライゼーションの思想は着実なひろがりをみせつつありますが、それを裏づける為の制度的・財政的保障は未だ不十分と言わざるをえません。
1986年に東大阪市の中地区でスタートした自立の家「つばさ」は、地域の一般校や養護学校を卒業した障害者が、孤立を余儀なくされている現状をふまえ、障害者と健常者が地域で共に働き、一般就労への準備を整え、さらには誰もが安心して暮らせる差別の無い地域社会をめざして活動を続けてきました。さまざまな活動の積み重ねの結果、地域の人々の障害者に対する理解は、徐々にではあれ深まってきているように思われます。
また仲間達の自立に向けた意欲や自信も増し、今では4人の障害者が親元から離れて自立生活を送り、それとは別に、4人の知的障害と言われる仲間がグループホームを利用して共同生活を開始しています。
社会福祉法人創思苑は、自立の家「つばさ」の6年間の活動の基盤の上に、「つばさ」 の活動の理念をさらに発展させ実現させることを目的として、設立されるものです。
私達は、知的障害者授産施設(通所)クリエイティブハウス「パンジー」の 設置運営を始めとして、障害者が一人の人間として、地域社会であたりまえに生きることができるように支援・援助を行い、また自ら実施することにより、より多くの障害者とその家族のニーズに答えていきたいと思います。
さらには、社会的に弱い立場におかれている老人や子供等の活動を支援・援助することにより、 多くの人々との連帯を求めることを課題とします。

 

1991年9月27日  『社会福祉法人創思苑 設立趣意書』

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