子供を産み育てることは当たり前の権利

12月に入って、北海道の入所施設で6人の職員が入所者に対し、裸で長時間放置するなどの虐待を繰り返していたことが報道されました。
「虐待をするなんて許せない」「虐待をした職員が今も働いているのはおかしい」「仲間に呼びかけて抗議に行こう」と当事者たちと話していた矢先のことです。
17日、グループホームで、知的障害があるカップルが一緒に暮らしたいと思った場合、不妊処置を条件にしているグループホームがあることを知りました。6組のカップルが不妊処置をしているそうです。
いつまでこんなことが起こり続けるのでしょう。「障害者である前に一人の人間です」と訴え続けてきたピープルファーストの理念は、未だに社会の人たちには届いていないのでしょうか?
知的障害者が健常者と同じ一人の人間なら、一人の人間として尊重されること、カップルでくらすこと、子供を産み育てることは、あたりまえの権利だと考えます。支援者がやらなければならないことは、障害者のあたりまえの権利が守られるような社会を作る事だと思います。そして、一人一人のくらしを支援することとです。
不妊処置をした法人(人たち)は、支援とは何かが分かっているのでしょうか。
10年以上前のことですが、グループホームで暮らしている女性の知的障害者が子供を産むことなりました。その時は、パンジーの保護者に育児の協力をお願いしました。すると、何人もの保護者が手助けを申し出てくれ、“にわかおばあちゃん”になって、育児を手伝ってくれました。
今、その子は、中学生になりました。そして、グループホームを出て親子でくらしています。私たちは遠くから見守っていますが、困った時は手伝うつもりです。
年末でバタバタしているけれど、明日にでも当事者の人たちとこの件について話し合いたいと思います。やっぱり、抗議に行くことになるかな?
みなさんにお願いです。まず、当事者の声を聞いてください。
そして、当事者の思いを知ってください。(林 淑美)