寺西さんを偲んで

二〇一四年四月、胃がんが再発、

六カ月の余命宣告をうけた寺西さん。二〇〇八年に入所施設から地域移行してこられ、グループホームで暮らしながら、日中はハートに通われていました。できるだけ地域で寺西さんらしい生活をしてもらいたいと、ご家族と相談をしながら、支援を続けてきました。

食べることが大好きだった寺西さん。安心して穏やかに、日々過ごしてきた寺西さん。私は、その寺西さんに、ただただよりそってきたという思いです。

終末期は全身が腫れあがり、食べ物もほとんど受け付けず、歩行もままならない状態でした。それでも入院する前日までハートに通われ、昼食前のテーブル拭きの係を、ゆっくりゆっくりと、時折疲れて椅子に座ったり、うたた寝をしながらも手伝ってくださいました。そんな寺西さんをのんびりチームのメンバーみんなで見守ってきました。

体調が悪くなると毎日のように訪問看護の看護師さんが様子を見に来てくれました。みんなで寺西さんを取り囲んで、「足腫れてるな。痛そうやな。寺西さん、あんまり動いたらアカンで」と寺西さんに声を掛け合いました。

年が明けて一月九日、寺西さんの事を一番心配していた奥山さんがお見舞いに行った後、会うのを待っていたかのように永眠されました。

穏やかで安らかなお顔を拝見した時、精一杯1日1日大切に過ごすことができたのだと思いました。そして同時に、たくさんの笑顔をくださってありがとうという気持ちでいっぱいになりました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。(古久保)