クラスターで感じたこと
7月の下旬から8月の上旬にかけて、パンジーⅡでコロナのクラスターが起きました。
当事者、職員の約8割の人が感染しました。パンジーⅡの当事者は、半数以上がグループホームでくらしている人たちです。職員へも感染が広がったため、各々のグループホームでは対応ができなくなりました。そこで、急遽パンジーⅡを閉じて陽性の当事者に集まってもらい、療養期間の10日間を過ごすことになりました。
多い時には17名の当事者がパンジーⅡで過ごしました。当事者にとっても職員にとっても初めてのことでした。僕も泊まり込みで支援を行ったのですが、本当に大変でした。
全員がお風呂に入るためには、ひたすら順番に入ってもらうしかありません。食事も、一人ひとりの希望を聞いていると、とてもじゃないけど対応できません。そして、たくさんの人が同じ空間で生活を送るために、ルールが増えていきました。当事者にも職員にもストレスが溜まっていくのをひしひしと感じました。
10日間の療養期間が終わったとき、僕はほっとしました。コロナで体調が悪化する人が出なかったこと、そしてなんとか集団生活を終えることができたことで、心底ほっとしたのです。10日間という期限があったから、当事者、職員とも何とか頑張れたと感じています。
それぞれの家(グループホーム)に帰った当事者は、いつもの自分のくらしを取り戻しました。好きなテレビを見て、音楽を聴く。ゲームをしたり、おしゃべりをし、のんびりご飯を食べてお風呂に入る。そして好きな時間に寝る(翌日、起きられる時間ですが…)。
僕は、このコロナ療養の体験を通して、改めて少人数でくらすグループホームの大切さを感じました。当事者一人ひとりのくらしが、そこにあります。僕はそれを大切に守っていきたいと強く思います。(西野)